イランほどの大国をリモコンで変えるのは不可能
イランの街頭での殺戮を止めるトランプの能力については当然、深い懐疑的な見方がある。イランの国民に立ち上がるよう呼びかけているが、国民はそれが自殺行為ではないことを知る術がない。
体制は空から変えられるものではない。トランプは国に侵攻することによってのみ、イラン国民を助けることができる。
そして今初めて、地上侵攻について考えている。「地上軍派遣についてイップス(不安)はない」とニューヨーク・ポスト紙に語った。
同時に、イランの民兵に対しては武器を明け渡すよう呼びかけている(「考えてみれば、彼らはただ国民に降伏するだろう」と言った)。
はるか彼方の銀河系では、もしかしたら民兵が武装解除するのかもしれない。この惑星では、いわゆる「戦争の霧」はトランプの頭のなかで始まる。
この戦争の行方を知っていると主張する人は、トランプを含め、誰もが虚勢を張っている。しかし、考えられる結果のなかでは、平和的な権力の移行は実現の可能性が最も低いシナリオの一つだ。
イランの体制は最近、数千人、下手をすれば数万人もの自国民を殺害した。まだ残っている国の最高指導部は窮地に追い込まれている。
トランプは彼らに、この戦争は存亡をかけた戦いだと伝えた。それにもかかわらず、米軍基地を受け入れているペルシャ湾岸諸国に向かってイランがドローンとミサイルを発射していることに驚きを表明した。
これは滅亡の危機にさらされたイランの神権政治が取る当然のエスカレーションだった。
湾岸諸国の君主制国家がいずれも、この戦争を望んでいなかったのはそのためだ。
世界経済の要としての各国の地位は今、危険なほど無防備になっている。トランプは湾岸諸国の友人に耳を傾けなかった。
米軍統合参謀本部議長のダン・ケインが描いたリスクシナリオにも注意を払わなかった。イランの規模を持つ国は、リモコンで変えることはできない。