男子ハーフパイプの競技終了後、金メダルの戸塚優斗、銅メダルの山田琉聖らとともに集合写真に納まる平野歩夢。大怪我を押して出場、7位入賞を果たした=リビーニョ(写真:共同通信社)
「また、採点か」。ミラノ・コルティナ五輪を追いかけていると、そんなため息が漏れ伝わってくる。2月12日(日本時間同13日)に行われた男子モーグルでは堀島行真選手の滑りが銅にとどまり、SNSには「AI採点にしてほしい」といった声が噴き上がった。
「採点競技の宿命」では済まされない
一時トップに立っていた堀島選手の後にミカエル・キングズベリー選手(カナダ)やクーパー・ウッズ選手(オーストラリア)が滑走。堀島選手ほどの大技を決めなかったにもかかわらず2人はスコアでトップタイで並び、結局ターンの得点差でウッズ選手が金メダルに輝いたことも議論に火をつけた。
男子モーグルで銅メダルを獲得し、表彰式に向かう堀島行真(右)。堀島に続くのが金メダルのクーパー・ウッズ(オーストラリア)とミカエル・キングズベリー(カナダ)=イタリア・リビーニョ(写真:共同通信社)
11日(同12日)に行われたフィギュアスケートアイスダンスでも、特定の審判の採点が「外れ値(アウトライヤー)」ではないかと問題視され、国際スケート連盟(ISU)が声明で釈明する事態になっている。
ロランス・フルニエボードリ選手、ギヨーム・シゼロン選手組(フランス)が合計225.82点をマークして金メダルを獲得。パーフェクトな演技を見せながら優勝候補だったマディソン・チョック選手、エバン・ベーツ選手組(米国)が銀メダルに終わり、さらにフランス人審判員ジェザベル・ダボワ氏が自国代表のフルニエボードリ選手、シゼロン選手組に異常な高得点を与えたことも拍車をかけ、世界中からISUに批判が殺到する事態となっており、騒動は今も沈静化していない。
採点競技の宿命だと言ってしまえばそれまでだ。だが、観る側にとって「何が、どれだけ良かったのか」が見えにくいままメダルの色だけが確定していく瞬間ほど後味の悪いものはない。納得できない勝敗は選手の価値だけでなく、競技そのものの価値を削ってしまう。
その渦中で13日(同14日)に迎えたスノーボード男子ハーフパイプ決勝。ここまで「採点」そのものが競技の熱を冷ます場面を何度も見せつけられた今大会で視線が集まったのが、北京五輪金メダリストの平野歩夢選手だった。
