後に退けない「衆院の定数削減」
次に立ちはだかるのは日本維新の会との「連立合意」です。特に“第3の障壁”となりうるのが、「衆議院議員の定数を1割削減する」という合意です。削減目標は衆議院議員定数の1割削減を目標としており、約50人の削減が想定されています。
自民党総裁の高市早苗首相と日本維新の会の吉村洋文代表(写真:共同通信社)
高市総理は、1割削減を「納得感の得られる規模」と発言していますが、定数削減は少数政党を減らし、多様な国民の意見を聞くという国会議員の役割から考えても、自民党内からでさえ反対の声があります。
選挙結果が自民党大勝で単独過半数にゆけば、維新との連立を解消して、約束を反故にする可能性も考えられますが、現在、参院の定数では、まだ過半数には到達しておらず、衆院だけの単独過半数では、維新の参院での連立が必要である以上、実行しなければなりません。前回、参院選で大勝した参政党との連立組み換え説もありますが、まだ参院の総数では維新19、参政15で、やはり維新との連立解消は無理なのです。
自民党内部には、もともと「高市派」がなく、しかも首相の意を呈して根回しする議員がいない現状では、党内をまとめるにも一苦労。その上、維新の「国保逃れ」が発覚。選挙のため、疑惑をきちんと調査しないままに終わっていますが、その手口や、手口を教える一般社団法人の存在が維新の報告している数以上にHP上で散見されるため、この疑惑は、選挙後に拡大すると思われます。
旧安倍派の裏ガネ議員を候補者として復活させた上に、自身も統一協会のパーティー券を寄付と虚偽記載した疑惑の追及から逃れるためとしか思えないNHK「日曜討論」のドタキャン欠席からも、両党の金銭感覚のおかしさは国会が再開されると、厳しく追及が始まるのは目に見えています。
そのなかで両党主導の議員定数の削減は思うようにいかない可能性が高く、そうなると維新の連立離脱という可能性も捨てきれません。これが“第4の壁”です。
実際、メディアの予想の大部分は自民の一人勝ちであり、維新に連立のうまみがなかったことになります。かれらをどう引き止めるかも高市政権の大きな負担となるでしょう。