注目したい登場人物

 そして今回の『豊臣兄弟!』で主人公に据えたのが、秀吉の弟=秀長、演じるのは仲野太賀です。まだ物語の序盤の序盤ですから、何ともという感じですが・・・。

 実はこの秀長、過去の「大河ドラマ」では9作にわたって“出演”しています。但し、大きくフィーチャーされた作品は、『おんな太閤記』(演じたのは中村雅俊)、『秀吉』(演じたのは高嶋政伸)が目立つ程度。いずれも秀吉の立身出世を支える腹心といった描かれ方でした。

 史実では秀吉よりも8年も前に病死してしまうため、物語的に脇へ置く選択肢しかなかったのでしょう。ですが、時に猪突猛進しがちな秀吉のブレーキ役として、また貧しい農民から天下人にまで上り詰めた豊臣政権を維持するため、敵対寸前の各地の武将たちとの調整役を務めた人物ですから、描き方次第では面白くなりそうではありますけどね。

 また注目したいのは、秀長の正室(後の慈雲院)。彼女については残された資料が少なく、謎が多い人物とされています。過去の大河ドラマでも登場したのは『おんな太閤記』と『江~姫たちの戦国』の2作のみ。その中で『おんな太閤記』では、しのという役名(演じたのは田中好子)で、秀吉に結婚を反対され、故郷の播磨に戻ったところ、そこを秀吉に攻められ、戦火の中で失明。秀長と悲しい再会を果たし、やがて正室になるという劇的な描かれ方をされていました。

 今回、この役に配されているのが主演クラスの人気俳優・吉岡里帆(役名は、しのではなく慶〈ちか〉)ですから、さらなる劇的な役どころとなるのかもしれませんよね。

 さらに、信長を演じるのが小栗旬、その妹・市は宮﨑あおい、信長に反旗を翻す武将・松永久秀は竹中直人という、過去に「大河ドラマ」の主演を務めた3人が脇役として登場という点にも注目。史実ではそれぞれが壮絶な最期をとげる役どころですから、どんな演技を観せていただけるのでしょうか・・・。

 3年ぶりの“戦国大河”という期待値にどれだけ応えられるのか、どこまで数字的に巻き返すことができるのか、ドラマファンの一人としても注視していきたいと思います。