相撲中継で視聴率が50%を超えたのは…

 野球やサッカーでも、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)やワールドカップといった国際的なビックイベント以外は、地上波で放送するととても2桁の視聴率には程遠いのが現状だ。今や大相撲はスポーツ界有数の優良コンテンツであることは間違いないようだ。

大相撲のテレビ中継が始まったのは昭和28年夏場所だが、当時はまだ視聴率の調査が始まっていなかった

 ここで、人気のバロメーターとして過去の大相撲中継の視聴率を調べてみた。ビデオリサーチ社が視聴率の調査を始めたのは昭和37(1972)年12月からである。したがって相撲の視聴率がわかるのは38年初場所以降ということになる。

関脇千代の富士が横綱北の湖を破って初優勝を決めた昭和56年初場所千秋楽は、視聴率52.6%を記録

 相撲中継で視聴率が50%を超えたのは、昭和56(1981)年初場所千秋楽で千代の富士が初優勝した時の52.6%、次いで50(1975)年春場所千秋楽の貴ノ花の50.6%の2例だけである。

大関貴ノ花が決定戦で横綱北の湖を寄り切り初優勝。視聴率は50%を超えた

「相撲の視聴率1位はオレ」と豪語していた千代の富士

 これはテレビの相撲特集でもよく取り上げられていたので、知っているファンの方は多いと思われる。千代の富士は若貴ブームで視聴率が高騰している時期に「でも、相撲の視聴率1位はオレだからな」とよく口にしていた。

 ところで数字というのは一見客観的な物差しだと思われがちだが、異なる条件の場合、ただ単に並べると不合理な面も出てくる。大相撲中継で気をつけなければいけないのは、途中でニュースを挟むと、視聴率では別扱いになってしまう点だ。

 昭和38(1963)年から44(1969)年までも相撲中継の間にニュースは入らなかったが、45(1970)年以降は間に1~2回ニュースが入るようになった。大相撲の視聴率を語る時には、この点がすっぽり抜け落ちている。

 相撲ファンの実感として、平成の大ブームとなった若貴時代のほうが、千代の富士時代よりも相撲人気が盛り上がったような気がするのではないだろうか。