立石の五方山熊野神社(東京・葛飾区)でも、愛らしい神馬のポニー3頭(きらら・ちょこ・ばにら)が待つ。同神社は平安時代に安倍晴明によって勧請され、境内の敷地は正五角形を象った陰陽道の結界で守られている。社殿脇には樹齢370年のクスノキのご神木2本がそびえ立つ、下町の知る人ぞ知るパワースポットだ。

五方山 熊野神社(写真:Tetracosane/Wikimedia Commons/Public Domain)

矢先稲荷神社(東京・台東区)は3代将軍・家光が京都の三十三間堂を模して建てたお堂がルーツ

 浅草名所七福神巡りの「福禄寿」、矢先稲荷神社(東京・台東区)も馬とのゆかりが深い。

 創建は1642年で、徳川幕府の3代将軍・家光が武道の鍛錬のために京都の三十三間堂を模したお堂(浅草三十三間堂)をこの地に建立。廊下では三十三間堂にならって「通し矢(約120mの三十三間堂の軒下で南から北へと向かって矢を射通す競技)」が行われた。堂の守護神として稲荷大明神を勧請し、祀った場所がその的先にあったことから「矢先」と名付けられたという。

矢先稲荷神社(写真:Avenafatua/Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0

 拝殿では、神武天皇の時代からの騎馬文化を描いた天井画「日本馬乗史」を見ることができる。格天井に100枚の絵が並ぶ様は壮観で、古の武将や合戦の様子なども忠実に再現されていて興味深い。馬の字が入った御朱印や、馬のお守りなどの授与品をお参りの記念に持ち帰れば、26年のパワーアイテムとなりそうだ。

JRA関係者も参拝する大杉神社(茨城・稲敷市)の馬櫪社

 25年の人気テレビドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』のロケ地として注目されたJRA(中央競馬会)の美浦トレーニングセンターの近くの大杉神社(茨城・稲敷市)には勝馬神社と呼ばれる馬櫪社(ばれきしゃ)がある。

 同神社は漁業関係者を中心に海や川の守護神として信仰される「あんばさま」の総本宮。赤い夢むすびの矢と金色の金運の矢を射る「ねがい矢場」、土器を割って悪縁、悪運を断つ「悪縁切の斎庭」などエンタメ性の高さで近年は観光スポットとしても人気だ。

大杉神社(写真:Katorisi/Wikimedia Commons/CC BY-SA 2.5

 JRA関係者も参拝するという馬櫪社は、もともと平安時代にあった牧場で馬の健康や安全を祈願して建てられたもの。競馬と縁が深いことから、勝負運や金運が授かると遠方から足を運ぶビジネスパーソンも少なくない。授与品のたてがみ御守にはサラブレッドのたてがみが使用されており、強力なパワーが期待できそうだ。