2025年12月6日、GPファイナル、女子シングル、フリーの前の坂本花織 写真/西村尚己/アフロスポーツ
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(松原孝臣:ライター)

【全日本フィギュア展望・男子編】はこちら

優勝すればオリンピック代表に内定

 グランプリファイナルが終了し、フィギュアスケートはいよいよ全日本選手権(12月19~21日。東京・代々木第一体育館)を迎える。選手の誰もが特別だという舞台だ。

 そして今年は4年に一度の大会でもある。ミラノ・コルティナオリンピックの代表選考最終大会であるからだ。

 今回は女子シングルについて。

 出場枠は3。最初に選考基準をみておきたい。

●1枠目 全日本選手権優勝者

●2枠目
*全日本選手権2、3位
*グランプリファイナル上位2名
*国際スケート連盟(ISU)シーズンベスト上位3名

●3枠目
*上記の「2」に該当しながら漏れた選手
*ISUワールドスタンディング上位3名
*日本スケート連盟独自の国際競技会ポイント上位3名
*派遣国際大会または指定国内大会の2試合平均得点上位3名

 つまり全日本選手権で優勝すれば自動的にオリンピック代表に内定する。それ以外は選考基準に合致するかがポイントとなる(ただし年齢制限でオリンピック出場資格のないジュニアの選手が優勝した場合は、3人の代表選考は2枠目以降の基準で選考される)。

 全日本選手権を除き、それぞれに選手をあてはめるとこのようになる。

●2枠目
*グランプリファイナル上位2名
①中井亜美、②坂本花織
*国際スケート連盟(ISU)シーズンベスト上位3名
①坂本、②中井、③千葉百音

●3枠目
*ISUワールドスタンディング上位3名
①坂本、②千葉、③吉田陽菜
*日本スケート連盟独自の国際競技会ポイント上位3名
①中井、②坂本、③千葉
*派遣国際大会または指定国内大会の2試合平均得点上位3名
①坂本、②中井、③千葉

 ワールドスタンディングの吉田を除き、すべての項目で中井、坂本、千葉が占めていることが分かる。

 特にグランプリファイナルで2位の中井、3位の坂本の2名は、代表に相当近いところにいると考えてよいだろう。またファイナルではフリーの失敗で6位に終わったもののグランプリシリーズ2戦ともに優勝するなどの成績を誇る千葉も有力な存在であるのは間違いない。

 ただ、すでに確定しているわけでないのはもちろんのことで、過去の代表選考でも予想を覆す結果に終わったこともある。