ヒグマとツキノワグマの違い

 今回の福島町のケースは、ヒグマによるものと見られている。

 一方、岩手の女性が襲われた事件は、ツキノワグマの仕業とされていた。現場付近では罠が設置され、7月11日、ツキノワグマ1頭が駆除された。現在、DNA鑑定で事件への関与が調べられている。

 同じクマでも北海道に生息するヒグマと本州に生息するツキノワグマでは凶暴性が全く違う。もちろん、ヒグマのほうがツキノワグマよりも遥かに凶暴とされている。

「のぼりべつクマ牧場」のヒグマ=北海道登別市(写真:共同通信社)

 体格では、ヒグマは体長2〜3メートル、体重200〜500キロ(最大700キロ)に達する一方、ツキノワグマは体長1.5メートル、体重80〜150キロ(最大200キロ)程度とされている。大きさがまるで違うのだ。

広島市安佐動物公園のツキノワグマ=2003年6月撮影(写真:共同通信社)

 過去の事例では、ツキノワグマを人が追い払ったケースも報告されているが、ヒグマによる襲撃は突発的かつ致命的なケースが多い。ウマやウシなどの大型動物を襲う例もある。北海道では、23年にも福島町の大千軒岳で登山中の大学生がヒグマに襲われ死亡している。