なぜ今「変動10年国債」が有利なのか

日南:なぜ、変動10年国債が有利なのでしょうか。

頼藤:変動10年は、金利が半年ごとに見直されるタイプの個人向け国債です。日本の10年物固定国債利回りの動きに連動して金利が決まり、金利が上昇していくと、自分が持っている債券の金利も上昇し、受け取る利息が増えることになります。
 
 一方で、金利が下がった場合も同じように連動して下がります。ただし、どれだけ下がっても年0.05%は最低金利として保証されています。これは、変動10年だけでなく固定3年・固定5年にも共通する個人向け国債の特徴です。

 現在のように、銀行の預金金利も少しずつ上がってきているとはいえ、キャンペーンを利用しなければ1%を超える商品はまだ多くありません。一般的な定期預金は0.数%台が中心ですが、個人向け国債の利率は1%台に乗ってきています。

 にもかかわらず、個人向け国債があまり知られていないのは、金融機関側のインセンティブが小さいからです。金融機関にとっては儲けが少ない商品なので、窓口では積極的におすすめされませんが、ネットを通じて手軽に購入することができます。

日南:魅力的な日本国債ですが、リスクや注意点はありますか。

頼藤:リスクはないですが注意点はあります。まず、購入から1年間は原則として換金はできません。例外として、災害に遭った場合や、保有者が亡くなった場合などは1年未満でも解約できますが、通常のケースでは1年間は中途換金できないと理解しておきましょう。
 
 1年以上保有すれば中途換金が可能ですが、その際には解約時のペナルティのようなもので、直近2回の利息を返還しなければいけないルールがあります。ただし、元本そのものは額面通り戻ってくるので元本割れはしません。