米国債はリスク資産、日本の個人向け国債は無リスク資産

日南:米国債の高金利の魅力と、日本の個人向け国債の元本保証の安心感がありますね。

頼藤:その通りです。米国債と日本の個人向け国債は、「安全資産」と言われつつも性格が異なります。

 米国債はドル建てで日本人投資家にとって為替リスクがあり、市場価格も変動するためリスク資産寄りの債券です。一方、個人向け国債は、1年経過後は中途換金が可能でありながら元本割れがなく、無リスク資産に近い存在と言えます。

 米国債は、「高い利回りのキャッシュフローを得たい」「ドル建て資産を持って通貨分散を図りたい」という人に向いています。ドル預金をするくらいなら、同じドル建てでより金利水準の高い米国債を検討する価値は大いにあるでしょう。
 
 一方で個人向け国債は、「とにかく安全第一で、元本保証を重視したい」「数年以内に使う予定のお金を、少しでも有利な条件で置いておきたい」という人に向きます。短〜中期で使う予定の資金の置き場として、銀行預金より一段階上の選択肢と考えることができます。

日南:国債も資産運用の一部に組み入れることで堅実性が増しますね。

頼藤:インフレ時代に資産を守るためには投資が必要です。いかに長く投資を続けられるかが重要ですが、投資をやめてしまう大きな要因の1つは株価の暴落です。
 
 日本株も外国株も、今後も何度も大きな下落を経験するはずです。そのときに、資産のすべてが株式だと精神的にも耐えにくくなってしまいます。だからこそ、金や国債のような守りの資産も活用しながら、目的に応じて自分に合った資産の組み合わせを考え、長く投資を続けインフレ時代を賢く乗り切ってほしいと思います。

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※個別の金融商品や銘柄を勧めるものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。