市場に面した家の猫です。建物の隙間から差し込む朝日を待ちかまえていました。顔に光が当たると、「ほらね」という顔をこちらに向けました。

 市場に隣接した公園です。ときどき小雨がぱらつくこの日は、公園に人の姿がありませんでした。「なんだか今日は寂しいね」と話しかけるように、猫たちが近づいてきました。

 高いところに猫が現れて、何か話しかけてくることがあります。このときは、これから雨足が強くなるから気をつけてねと、教えてくれたようでした。

 そのあとすぐ、別の猫が降りてきて目と目が合いました。自分はもう家に帰るけど、あなたも早く帰ったほうがいいよと話しかけてきたように思いました。