米陸軍のHIMARS(1月3日エストニアで撮影、米陸軍のサイトより)

1.北朝鮮の兵器をどう評価するか

目次

 国営の朝鮮中央通信が発表する軍事パレードに登場する兵器写真と発表内容ついては、プロパガンダが強調されており本当の能力が分からない。

 兵器は戦場で使われて初めて、本物か、優れた兵器なのかが分かる。

 現在、ウクライナ戦争でロシア、ウクライナ、米欧の兵器が使われていて、実際の戦いの場でその実力がはっきりと分かってしまう。

 例えば、「ロシアの防空兵器は、米欧の弾道ミサイルを撃墜できる」と言われていたが、弾道ミサイルどころか速度が遅い巡航ミサイルでさえ、一発も撃墜できていない。

 また、「ロシアの弾道ミサイル『キンジャール』(イスカンデルの空中発射型、マッハ10で飛翔)は、米欧の防空ミサイルにより絶対に撃墜されない」とも言われてきた。

 だが、防空ミサイルが配備されている地域では多くが撃墜されている。このように、発表されるデータには誇張があるようだ。

 そこで、北朝鮮の軍事パレードに登場した兵器は本物か、それらはウクライナ戦争で使用された兵器に酷似していないか、そして、これらの兵器が実際にウクライナの戦場で使われた結果、どのようになったのか、あるいはどのようなことになるのかという視点で、評価してみたい。

2.ウクライナ戦争視点で北朝鮮兵器を評価

 今年10月10日に実施された北朝鮮・労働党創立の軍事パレードを朝鮮中央通信が11日に報道している。

 そこで、その報道からパレードに登場した兵器を分析してみた。

 新登場の兵器や独自に開発した兵器、ロシアの兵器に酷似した兵器、ロシアがウクライナ戦争で使っている兵器に酷似の兵器、また、ウクライナが使う米欧の兵器に酷似の兵器があった。

 自国で開発したとみられる兵器、ロシアが開発した兵器に酷似した兵器、実際にロシアが戦争で使っている兵器がパレードに登場してくるのは、北朝鮮とロシアの関係を考えれば当然だろう。

 だが、その敵国である米欧が開発した兵器、特にウクライナ戦争で活躍している兵器に酷似した米欧の兵器が登場してきたことには驚かされた。