8月25日、ホワイトハウス大統領執務室で会談した後、トランプ大統領と笑顔で握手した李在明大統領だったが…(写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)
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 韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が、APECのため韓国・慶州を訪れるトランプ米大統領に名誉勲章を授与することを真剣に検討している。現在進行中の米国との関税交渉で最も大きな障害となっているのがトランプ大統領の存在だと見ているからだ。

 米韓関税交渉で瀬戸際に立たれている李在明大統領が、APEC期間中にトランプ大統領を心変わりさせようと、必死の努力を見せている。

とても飲めない関税交渉の条件、何とか矛先を緩めてもらおうと

 李在明政権に入って、韓国社会は予想されていた「反日」ではなく、むしろ「反米」感情が高まるという特殊な状況に陥っている。米国との関税交渉で崖っぷちに追い込まれた李在明政権は「米国とトランプ大統領が、我が国がとうてい耐えられない無理な要求をしてくる」という不満を隠そうとせず、それに触発された共に民主党と左派政党は反米スローガンを掲げて、連日、国民の反米感情を煽っている。

 曺国(チョグク)元法務長官は「3年は長すぎる」という、まるでトランプ大統領の弾劾を目標にしているのかのような謎めいたスローガンを掲げて反米運動の先頭に立っている。

 金民錫(キム・ミンソク)首相の兄であり、共に民主党のシンパ的市民団体「ろうそく行動」の代表である金民雄(キム・ミンウン)氏も本格的な反米デモを始めており、そこに韓国の左派団体が大挙参加し、組織的な反米デモを続けている。

ソウルの大統領府近くで行われた市民団体による反米デモ。米国の関税政策を非難し、今年のAPEC首脳会議の韓国開催に反対した=9月25日(写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)

「交渉進行中に米国を過度に刺激する行動は役に立たない」と魏聖洛(ウィ・ソンラク)大統領府安保室長がわざわざ釘を刺したにもかかわらず、大学時代から「ヤンキー・ゴー・ホーム!」と叫んできた左派政治家たちは本性を隠せずにいるのだ。