初心者向けの投資信託の基準は?
日南:結局、初心者がまず買うべきなのは「インデックス型×低コスト」「バランス型×低コスト」の投資信託ということでしょうか。
頼藤:そうですね。そういう目線で見ると、投資信託の規模を示す純資産総額が日本で1番・2番になっているのが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とオルカンです。どちらも低コスト商品であり、純資産総額はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が7兆円超え、オルカンは6兆円を超えています。
純資産総額が大きいと、分散投資が効率よく実践できるようになります。逆に、純資産総額が少ないと繰上償還、つまり運用が停止されるリスクもあります。
日南:さらに、良い投資信託を見極める際の基準は何かありますか?
頼藤:まずは信託報酬・実質コストともに低いファンド(0.3%未満)です。実際に投資家が負担した手数料が「実質コスト」です。信託報酬自体が安く抑えられていても、その他の手数料がかかり、想定以上の負担をしている場合もありますので、実質コストの確認は必ずしましょう。
さらに「月次資金流入が堅調で、純資産総額と基準価額は右肩上がりのファンド」、「業績が安定している運用会社のファンド」、「トラッキングエラーが小さい」などが良い投資信託の基準として挙げられます。
「トラッキングエラー」とは、ベンチマークの指数の値動きと投資信託の値動きの差を数値で表したものです。インデックス型の商品ごとに指数との連動に差があるため、運用パフォーマンスも少しずつ差があります。そのため、指数のリターンよりも、ファンドのリターンが低いということも起こります。トラッキングエラーの数字が小さいほど、ベンチマークである指数と連動している、ということを表します。
さらに分散投資を意識するなら「市場カバー率が80%」が目安です。リスクを抑えながらリターンを高めたい場合には、市場全体をカバーする商品を選んだ方が良いです。
なんとなく投資を始めてしまっていた人や、これから投資を始めたい人は、今回の情報をもとに、自分で納得して投資信託をしっかり選んでほしいと思います。
※個別の金融商品や銘柄を勧めるものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
