子どもの可能性を最大化する「探究型保育」で欠かせないのが学んだことを発表する場。では実際、子どもたちが発表する環境を作ることは、成長や学びにどう広がっていくのか?
今回は、『2050年の保育 子どもの主体性を育てる実践的アプローチ』より、探究型保育の学びのプロセスの一部を紹介する。
探究型保育に欠かせない子どもたちの「発表の場」
「つぶやき」を拾い、「タイムリー」に興味関心を広げ、テーマ化された複数の「コーナー」が用意されるデザインされた環境で「クリエイティブタイム」で自由に探究を繰り広げる。実践的な探究型保育の仕上げは、「発表の場」です。
子供たちが探究型保育で学んだことを「発表する場」を作ってあげること。
私たち保育者にとって、エデュリーにとって、大切な仕事のひとつです。
行事と呼ぶこの「発表の場」には、ふたつの意図があります。
ひとつが、保護者に「いま、子どもたちはこんなことに興味を持っていますよ」という「成長の様子」と「興味関心」を知ってもらうことです
発表の場は、日中、子どもの姿を見ることができないお父さん・お母さんに、例えば、「お子さんは虫が大好きで、制作物を作ったり、図鑑で調べたりして、探究、深掘りをしている」ことを伝える良い機会になります。ふだん、見ない姿を見ることで、休日の保護者との時間で、さらに探究が深まるなどといった効果も期待しています。
もうひとつが、子どもたちにとっての成長の機会です。
自分がもった興味関心を、形にし、発表することは簡単ではありません。緊張もするだろうし、うまくいかないこともあります。けれど、そのプロセスは子どもにとって大きな成長のきっかけとなる。まさに探究となるわけです。