子どもの主体性を育み、可能性を最大限に引き出す「探究型保育」。いま、その考え方は、現場で葛藤を抱える多くの保育士たちの間で広がりつつある。
そんな探究型保育とは、一体どんなものなのか? 従来の保育とは何が違うのか? 今回は、8月27日(水)発売予定の『2050年の保育 子どもの主体性を育てる実践的アプローチ』より、第1章「子どもたちの可能性」の一部を紹介する。
写真:GettyImages
探究とはなにか? なぜ求められるのか?
「世界で一つだけの保育園をつくる」ことを目指した私たちの保育・療育施設は、私が19歳で立ち上げたエデュリーという会社(当時はKIDS ONE)で運営しています。
おかげさまでたくさんの保育関係者に注目をしてもらっていて、例えば、保育の実践例をこまめに投稿するインスタグラムのフォロワー数は3万人を超えました。
「好き」をテーマにした保育の投稿は「閲覧数」数が1000万回を超え、「0歳児さんのお部屋」を代表とする投稿もそれぞれ1000以上の「いいね」がつくなど、シリーズになったものも多くあります。
エデュリーのインスタグラム投稿欄(@edulead_insta))
投稿を見に来てくれる人たちの中には、より良い保育のヒントを求める全国の保育士さんたちがたくさんいます。
彼・彼女たちから寄せられるコメントやメッセージには、思い描く理想の保育を現場で実現できていない、というもどかしさと、それでも「なんとかしたい」という向上心が見受けられます。
そんな中でエデュリーのインスタグラムから伝わる「子どもたちの目が輝く瞬間」や「保育者が工夫をこらしている具体的な場面」に「自分たちの現場でもできないだろうか?」と興味を持ってくれているようです。
こうした保育士たちに共通するのは、これまでの【保育士主導の保育】だけではなく【子どものやりたい、という気持ち、主体的な思いを大切にして、子どもたちの成長に伴走する保育】をしたい(これを主体性保育と言います)、という思い。
それはまさに、エデュリーが実践する「探究型保育」そのものなのです。

