(写真:kao/Shutterstock)
夏の高校野球全国大会が開幕した。地方大会の優勝校49校の選手が集い、真夏の甲子園で熱戦を繰り広げるが、開幕時点で参加校3396校のうち、3347校はすでに「夏」を終えている。
「甲子園に行けなかった」
「もっと野球がしたかった」
「控え選手で終わったが、試合に出たかった」
「卒業しても野球を続けたい」
地方大会で敗退した学校の選手の中にはさまざまな思いをもつ若者がいる。
こうした野球部員たちに、思い切り野球をする機会を提供するのが「ジャパンサマーリーグ2025」だ。
私立の強豪校の選手だけでなく、地方の公立校の選手、女子選手も
主催者は、株式会社ジャパンリーグ。このコラムでも紹介した「ジャパンウィンターリーグ」を2022年から開催し、日本国内だけでなく海外からも多くの参加者を集めている。
甲子園の選手権大会と時期が重なる8月2日から8日までの日程で、沖縄県嘉手納町の嘉手納町営球場で行われた。参加資格は「高校3年生」。
個人参加で、参加費用は5万5000円。昼食がついているが、交通費、宿泊費は個人負担。
集まった選手は3つのチームに分けられ、7日間で毎日1~2試合を行う。
球場には本格的な室内練習場が設けられているので、選手は試合がないときは自主トレーニングを行う。
8月2日、嘉手納町営球場には、いろいろな学校のユニフォームを着た選手、30数人が集まった。中には、帝京高校の黒木大地、札幌第一高校の半田悠など、ドラフト指名が有望視される選手もいる。地元沖縄県でも興南高校、沖縄尚学高校、八重山商工高校など、強豪校の選手もいるが、地方の公立校や通信制高校で野球をしていた選手もいる。また福井工大福井高校の大里成海は、唯一の女子選手だ。
開会式で全員集合(筆者撮影)
個人参加なので、ほとんどが出会ったばかり。選手たちはややぎごちない感じであいさつを交わしていた。