実際に採用されるシニアの特徴

「やはり年齢をカバーするくらいのスキルや人間性があれば、シニアでも仕事はあると思いますよ」

 そもそも派遣社員というのは、選ばれなければ仕事にありつけないシビアな世界である。Yさんの話を聞いて、改めてシニアの就職活動は実力主義の世界なのだと感じた。上品な口調のYさんがたびたび「ゴリ押し」という言葉を使っていたことに、現場の事情が垣間見える気がした。

 一方で「どの職場が合うのか、言語化しにくい部分で判断するほうがハマりやすい」という話も興味深いと思う。

 シニアも「求人サイト」などを利用して就職活動をする時代だ。「報酬」「職種」「雇用形態」など機械が絞り込んだ結果にとらわれず、言語化できない「自分」という存在が生息できる場所を、野性的な「カン」で探ることは、シニアが心地よく働き続けるには必要なのかもしれない。(続く)

◎【後編】「シニア労働者の「最後の砦」食品工場で不採用になるシニアの4つの特徴、60を超えても働き続けるための条件」に続く

若月澪子(わかつき・れいこ)
NHKでキャスター、ディレクターとして勤務したのち、結婚退職。出産後に小遣い稼ぎでライターを始める。生涯、非正規労働者。ギグワーカーとしていろんなお仕事体験中。著書に『副業おじさん 傷だらけの俺たちに明日はあるか』(朝日新聞出版)がある。