AIの考える「幸福」はズレている可能性も?(筆者がWhiskで生成)
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(小林 啓倫:経営コンサルタント)

AIを相談相手にする人々

 会話型生成AIサービスの代名詞として、すっかり定着した感のあるChatGPT。気軽に話しかけられることから、相談相手として利用している人も増えているようで、さまざまなニュース番組やワイドショーで「ChatGPTが相談相手に?」というテーマが取り上げられている。

 筆者の大学生の娘はChatGPTを「チャッピー」と呼んでおり、話を聞くと、友達同士の間でも同じ呼び名を使っているらしい。登場から3年が経とうとする今、会話型AIは人々にとって欠かせないパートナーになっているようだ。

 より多くの人々を対象としたアンケートでも、「相談相手としてのAI」という認識が広まりつつあることがうかがえる。

 たとえば、昨年7月の調査になるが、株式会社Trinity questが実施したアンケートによれば、AIに悩み相談できるサービスについて肯定的な意見が41.8%、否定的な意見が58.2%という結果が出ている。

 この数字をどう見るかは議論の余地があるが、少なくとも4割が「AIに相談する」という行為を肯定しているという点は無視できないだろう。この調査からちょうど1年が経過しており、肯定的な人々の割合がより増加していることも考えられる。

 米国では、より興味深い調査結果が発表されている。ChatGPTのような会話型AIが米国における最大のメンタルヘルスサポート提供者となる可能性があるというのだ。