脂肪と糖分とミルクのコクのハーモニー
チョコレートが美味しい2つ目の理由は、やはり味自体のバランスのよさです。
チョコレートの味は、カカオが持つ苦味や酸味に、砂糖の甘さを加えることで生まれたハーモニー。
さらに、脂肪と糖分は人間が生きるために必要なエネルギー源なので、私たちは本能的に「美味しい」と感じますが、まさにチョコレートはカカオバター(油脂)と砂糖を含んでいるのです。
また、砂糖だけでなく、ミルクを加えればミルクチョコレートとなり、乳製品のコクが味わいをより豊かなものにしてくれます。
「マイ・ベスト・チョコ」を見つけよう
また、チョコレートの「種類の豊富さ」も、多くの人が「美味しい」と感じる理由ではないでしょうか。
チョコレートジャーナリストとして国内外を取材してきた立場から実感するのは、チョコレートの多種多様さです。
だからこそ、どんな人にも「これは美味しい」と感じられるチョコレートが、きっとあるのです。
ミルクチョコレート、ビターチョコレート、ホワイトチョコレート……。味もさまざまで、形やサイズも豊富です。板チョコや一粒チョコ、チョコチップクッキーやチョコアイス、チョコレートケーキもあれば、ホイップクリームやナッツ、キャラメルやフルーツとも相性はバツグン。
写真:TOMOTA3306/イメージマート
最近では、甘さ控えめのハイカカオチョコレートや、ワインのように産地別でカカオの個性を生かしたタイプも人気があります。
あなたにも「昔からこのチョコが好き」「最近食べたこのチョコが美味しかった」という経験はありませんか?
チョコレートの種類の多さは、間違いなく、多くの人が「チョコレートは美味しい」と感じる理由の一つだと思います。
温度によって引き出される食感や風味
ちなみに、これは私が小学生だった頃の話。
ある夏の日、私は板チョコを常温で保存するとドロドロになってしまうのに、冷やしておくとパリパリッとする、そんな性質がおもしろくて、ひそかに興味を抱いていました。
冷たいままかじったり、冷蔵庫から出して少しやわらかくしたり、小さなかけらであれこれ試したのを覚えています。食感が違うだけで、同じチョコなのにまるで別のものを食べているようで、ちょっと得した気分になっていました。
今思うと、幼い頃の私は、意外と重要なことに気づいていますね(笑)。
チョコレートの美味しさの秘密は、このように温度によって引き出される、異なる食感や風味にもあるのです。



