学童野球や大学・社会人野球も導入、取り入れていないのはセ・リーグと高校野球くらい
導入から半世紀、DH制は世界の野球に浸透した。各国各リーグの状況を見てみよう。
【アメリカ】
・MLB
アメリカン・リーグ ○DH制(1973年)
ナショナル・リーグ ○DH制(2022年)
・MiLB(マイナーリーグ)全13リーグ ○DH制
・独立リーグ5リーグ ○DH制
・NCAA(大学野球) ○DH制
【日本】
・NPB
セントラル・リーグ ●DH制導入せず
パシフィック・リーグ ○DH制(1975年)
・大学野球
全日本大学野球連盟加盟の27連盟のうち25連盟で○DH制。東京六大学、関西学生野球も26年からのDH制導入を決定。
・日本高野連 ●DH制導入せず
・中体連(中学軟式)○DH制(2024年)
・中学野球硬式5リーグ ○DH制
・学童野球(小学校軟式)○DH制(2024年)
・社会人野球
社会人野球日本選手権大会 ○DH制(1988年)
全日本クラブ野球選手権大会 ○DH制(1988年)
都市対抗野球大会 ○DH制(1989年)

【韓国】
・韓国プロ野球KBO ○DH制(1982年設立当初より)
【台湾】
・台湾プロ野球CPBL ○DH制(1990年設立当初より)

ドミニカ共和国、ベネズエラなど中米諸国で冬季に行われている大規模なウィンターリーグであるカリビアン・リーグでもDH制が導入されている。
またヨーロッパ各国で行われている各国ごとのプロリーグでもDH制が導入されている。
世界の主要な野球リーグ、団体で、DH制を導入していないのは、日本のセ・リーグと高校野球だけになっている。
なぜ、多くのリーグがDH制を導入したのか?
筆者は「DH制の方が打撃戦が多くなり、試合が面白くなる」などの、具体的なメリットがあって導入したのではないと思う。理屈ではなく、DH制を導入するリーグが徐々に多数派になったことで、他のリーグもこれに追随したのではないか。
WBCやオリンピック、女子野球や各年代の国際大会などもすべてDH制を導入している。DH制がない高校野球やこれまでの東京六大学などは、国際大会では、国内とは別個の対応を強いられている。
要するにDH制は半世紀を経て「スタンダード」になったのだ。