説明するのが難しいニシイケバレイ
行ったことのない人に、ニシイケバレイが何なのかを説明するのはかなり難しい。公式サイトではこう説明している(太字部)。
「西池袋(ニシイケ)」のビル群の下、さまざまな支流が合流する「谷(バレイ)」のような場所に広がる街、ニシイケバレイ。
住んでいる街の1階に足を運べば、元気な声、薫る緑、豊かな空間が拡がる。そんな風景を共有したくて、今、少しずつまちびらきを始めています。
目指すのは、この地域の人々の拠り所となり、健康で文化的なくらしをみんなで育んでいく、“まちの家”になること。
「Chanoma(茶の間)」「Syokutaku(食卓)」「Attic(屋根裏)」など、それぞれのエリアを部屋に見立てながら、現在進行形で再開発に臨んでいます。
この挑戦に共感してくれる人々と、一日でも早く、この谷で合流できることを願って。丁寧に、大胆に、エリアリノベーションを進めていきます。
うーん、気持ちは伝わってくるが、何なのかはほとんどわからない(書かれた方すみません)。以前、オーナーの深野弘之氏をOffice Bungaの長井美暁がインタビューしたことがあって、そこではこう説明していた(太字部)。
「ニシイケバレイ」は、飲食店やシェアスペース、住居がある複合的な空間だ。オーナーの深野弘之さんは理解ある協力者たちとチームを組み、先祖から受け継いだ土地や建物を活かし、特徴あるまちづくりを進めている。
うーん、これだと結構ありがちに思える…。この記事を含めていくつかの記事を読んだのだが、筆者の読解能力が低いのか、どれも空間や機能が具体的にイメージできない。開発チームの想いやプロセスに関する情報量が多すぎて、最終形を頭の中に描く前に疲れてしまう。まあ、「後は実物を見てね」という誘導効果は大きいと思うのだが、今頃になって取り上げる「BUNGA NET」としては“結果”、つまり建築空間としての特質をお伝えしたいのである。
近接する複数建物の居室を改修して非住宅利用に
結果を伝えるには、余計な文学的な形容はない方がいい。箇条書きでいく。
・ニシイケバレイがあるのは駅前の大通りから1本南側に入った住宅街。地元民ですら行ったことがないような場所。
・大通り側には中高層のビルが立ち並ぶ。それらに対してこのエリアは低層建築が多い“ビルの谷間”のような場所であることから、「バレイ」と名付けた。

・当初の主要施設は、近接する3棟の低層建築。2020年から2021年にかけて、それぞれの居室の一部をリニューアルして段階的にオープンした。順番は下記。
▼2020年7月、中核施設として、築70年超の木造平屋をリノベーションしたカフェ「Chanoma(チャノマ)」がオープン。

