中国のカイゼンの方が破壊力が大きいワケ

 中国の産業界が最近上げた最も目覚ましい成果、すなわち安価で競争力もある電気自動車(EV)、家電製品、産業機械、高速鉄道、ロボットなどの生産では、何らかの類いの「カイゼン」が功を奏している。

 一定の期間は中国のカイゼンの方が本家のカイゼンよりも早く効き、破壊力も大きく、際立った成果を上げるのではないかと思える理由もある。

 第1に、中国は機会と人材が豊富で、日本よりもはるかに大きな規模でカイゼンに取り組める。

 少しずつ積み重ねるやり方が最も有効なのは、試行回数が多い時だ。

 第2に、中国のカイゼンは、製品が期待通りの動きをしないと消費者がそれにすぐに気づき、ほかの人に伝えていく時代に行われている。

 だが、3つ目の理由は、スピードをお金で買うことができているからかもしれない。

 東京の転職エージェントの話によれば、中国企業は日本の製造業のカイゼンを現場で直接観察するだけでなく、半導体や鉄道、ロボット工学の日本人エンジニアを誘い込めることに気づいた。

 今に始まったことではないが、このところ急加速しているという。