ディープシークはどんな企業?
米国と世界市場を驚かせたディープシークとは、どんな企業なのでしょうか。
ディープシーク(DeepSeek、深度求索)は浙江省の省都・杭州市に本社を置くスタートアップで、2023年5月に設立されました。創業者は梁文鋒(Liang Wen feng、リャン・ウエン・フォン)氏。現在39歳とされています。
梁氏は、浙江大学在学中に金融取引を始め、その後、AIを使った金融取引を行うヘッジファンド「High Flyer(ハイ・フライヤー、幻方)」の共同創立者となり、1兆円を超す資産を運用するようになりました。ディープシークはそうした事業展開のなかで、AIの技術開発を行う研究部門として設立。やがて企業として独立し、今に至っています。

社員数は200人足らず。少数精鋭を貫いているようで、社員の多くは20〜30代とされています。The China Academyが1月末に公開したインタビューの中で、梁氏は社員について「ディープシークには“不可解な魔法使い”はいません。ここにいるのは(精華大学や北京大学などの)一流大学の新卒者、博士号取得者(4、5年目のインターンも)、数年の経験を積んだ若い才能だけです」と語っています。
実際、社員には数学やコンピュータ、大規模言語モデル(LLM)など多様な分野の最先端で博士号を取得するなどの俊英が集結。社員の1人は他社から年俸1000万元(約2億円)のオファーを受けたが、それを断ってディープシークに残ったと米メディアは報じています。
そのうえで梁氏はこう語っています。
「DeepSeekは完全にボトムアップ型の組織です。役割分担もあらかじめ決めていません。誰もがユニークな経験とアイデアを持っており、押し付ける必要がない。課題にぶつかると、自然と他の人を巻き込んだ議論が起きます。一方、あるアイデアに可能性が見いだされれば、そこからはトップダウンでリソースを配分します」