IDCは、AIインフラサーバー市場におけるアクセラレーテッドサーバーの比率が2028年までに60%を超えるとみている。今後2028年まで、19%の年平均成長率(CAGR)で推移するという。
世界AIインフラ市場は米国がリード
AIインフラ機器の市場を地域別に見ると、米国の支出額が世界全体のほぼ半分を占め、トップを維持している。これに次ぐのが中国で、世界支出額の23%を占める。この後に、アジア太平洋地域(中国を除く)の16%、欧州・中東・アフリカ地域(EMEA)の10%と続く。
一方、中・長期的に見ると、アジア太平洋地域の成長率が最も高いと予測される。同地域の今後5年間の年平均成長率は20%で、これに米国(16%)、EMEA(13%)、中国(11%)と続く。
IDCによると、AIインフラ機器への世界支出額は2028年までに1070億米ドル(約16兆8000億円)に達する見通しだ。そのうちクラウド環境で運用されるサーバーは75%。加えて、アクセラレーテッドサーバーへの投資も増え、2028年におけるAIインフラ機器全体に占める比率は、約56%になると分析する。
「ハイパースケーラー、(その他の)クラウドサービスプロバイダー、一般企業、そして世界中の政府機関がAIを優先事項と位置付けており、その導入は驚異的なペースで加速する」(IDC)
ただし、重大な問題として、AIインフラのエネルギー消費に関する懸念が高まっている。米エネルギー省(DoE)が所管するローレンス・バークレー国立研究所(LBNL)は先ごろ、「米国データセンターの電力需要は、今後3年間でほぼ3倍に増加し、国内電力の最大12%を消費する可能性がある」と報告した。データセンター業界がAIサーバーの導入を急速に拡大していることがその要因だと指摘している。