若手扱いだったのに、突然ベテラン扱いになった人
クライアント先の社員と話していたら、前職は老舗企業にお勤めだったそうで、その会社では30代に入っても後輩が入社せず「永遠の若手社員」扱い、職場ではいつも「末っ子」のようなキャラクターを求められていたそうです。
しかしその後、現在の会社に転職すると一転、今度はいきなり管理職待遇で何人もの部下をマネジメントしなければならなくなりました。全社員の年齢構成を見ても、自分は上から数えたほうが早い序列になってしまい、初めはそのギャップに慣れずに戸惑いました、と言っていました。
ベンチャー企業などでは20代後半でマネージャーや管理職になる方もたくさんいますが、反対に老舗企業は30代でも若手扱いでなかなか役職の順番がまわってこないといったこともよくあります。
そのため、転職などをすると、前職では35歳でも自分の意見はなかなか通らず上司の指示に従って仕事をしていた人が、いきなり転職後は同じ35歳でも部下の意見をくみ取り、部署全体をマネジメントしていかなければいけない、という立場に置かれることも現実としてあるわけです。
そうすると仕事の業務以前に、部下とコミュニケーションをとることだけでも慣れるまでには相当な負荷がその人にはかかります。
このような例に限らず、同じ会社で働き続けていても、20代後半~30代後半に差し掛かる過程で、「あれ、いつのまにか自分が社内で大ベテランになってしまっている」と気付くタイミングがあると思います。
その際に、「マネジメントされる側からマネジメントする側」に、上手に切り替えができるとその後も順調に会社員生活を過ごすことができます。
しかしそうでないと、「自分が部下だった時は上司の言うことは理由を問わず素直に聞くことが当たり前だったのに、どうして私の部下は『どうして私がそれをやる必要があるんですか』といつも尋ねてきて、素直に『はい、わかりました』と従ってくれないのだろう」と、徐々に部下に対して当たりが強くなり老害をしてしまう危険性もあります。
この年代に差し掛かったら、すぐにはマネジメントをする立場に就く予定がない人でも、ある日突然指名された時に焦らなくて良いよう、マネジメントの勉強は少しずつしておきましょう。そうすることで仕事の更年期に迷い込むことを回避できます。