「高い化粧水、美容液を使用している」と翔猿
遠藤聖大(小結)
遠藤は平成2年(1990)10月19日に石川県鳳珠郡穴水町に生まれた。相撲どころの石川県に生まれ、少年相撲教室で相撲を始めた。金沢市立西南部中に相撲留学し、金沢学院東高から日大相撲部と、エリートコースを歩んだ。
日大時代のタイトルは11個で、4年生の時には国体成年男子、全日本相撲選手権で優勝し、幕下10枚目格付け出しの資格を獲得。平成25年3月場所に初土俵を踏むと、わずか2場所で同年7月場所に新十両。十両デビュー場所では14勝1敗の好成績で優勝し、翌9月場所には早くも新入幕を果たした。デビューからわずか3場所の超スピード出世だった。
184cm、148kg。子供の頃から磨いた相撲テクニックは抜群で、左四つからの寄りには定評があり、技能賞を4回も獲得している。甘いマスクで入幕直後から大変な人気を集め、平成25年12月から、高見盛に代わってお茶漬けのCMに出ていた。
平成23年2月に起こった八百長メール騒動後、館内が半分も埋まらないなど相撲界は人気低迷に悩まされてきたが、遠藤の躍進時ぐらいから、人気を回復してきた。相撲界にとっては大変な功労者といっていいだろう。
ややパワー不足であることや、慢性的な左膝の故障などでなかなか上位の壁を破れなかったが、平成30年3月場所に前頭5枚目で9勝を挙げ技能賞を獲得。翌5月場所に、新三役となる小結の座を射止めた。
その後も小結は4場所経験しているものの、関脇にはまだ昇進していない。三賞は6回受賞、金星も7個獲得と十分な実績を誇る34歳のベテランだが、「もうひと花」を期待するファンは多い。
翔猿(小結)
兄弟幕内で、兄は英乃海(最高位前頭6枚目)。英乃海は185cmと長身だが、翔猿は174cmの小兵だ。
子供の頃から様々なスポーツに親しんでいたが、中学時代から相撲一筋。その後埼玉栄、日本大学と相撲の名門校に進んだ。満足できる実績を挙げることはできなかったが、角界入りを決意して平成27年(2015)1月場所で初土俵。順調に出世し、29年7月場所に新十両に昇進した。
そこからやや壁にぶつかり、3年の年月を要して令和2年(2020)9月場所にようやく幕内に昇進した。もう28歳になっていたため、それほど期待されてはいなかった。
大器晩成型なのか、新入幕場所に11勝を挙げ敢闘賞を受賞すると、幕内上位で活躍するようになり、端正なマスクもあって一躍幕内の人気力士となった。
取り口も派手で押しが主体ながら、抜群の運動神経を生かした動きの中から勝機を見出すタイプ。蹴手繰りや蹴返しといった足技も得意としている。令和4年9月場所では照ノ富士を破り初金星獲得し、殊勲賞を受賞、翌11月場所では新小結に昇進した。
ひょうきんな性格で、バラエティー番組にも多数出演。「高い化粧水、美容液を使用している」と、その美貌に磨きをかけていることを強調するなど、話の土俵でも話題を振りまいている。
【ほかの回を読む】
①イケメン力士列伝「幕末〜昭和初期」を読む
②イケメン力士列伝「昭和中期〜後期」を読む