(英エコノミスト電子版 2024年12月22日付)
投資家が2024年にどれほど浮かれるようになったか判断するために数字を計算した。
一年で一番よい時期が来た。
米国株式市場の投資家については、これはかなり重要なことを告げている。投資家は2024年に素晴らしい年を過ごした。
2023年にすでに急騰していた株価がそのまま上昇し続けたからだ。
大型株で構成されるS&P500種株価指数は2年前より54%も高くなった。1957年の指数算出開始以降、2年連続の上昇でこれより高い上昇率を記録した時期は数えるほどしかない。
確かに、途中にはやきもきさせる局面もあった。直近では12月18日、1日で3%下落した時がそれに当たる。
この日は、米連邦準備理事会(FRB)が2025年の利下げ回数について、市場予想よりも少なくなるとの見通しを示したことが嫌気された。
だが、株価はその後少し戻しており、市場のムードはまだ明るい。株式市場はほかの国でも上り調子だが、米国は群を抜いている。
ドットコム・バブルを彷彿させる株高
株価が(大差ではないものの)今より急速に上昇した局面で最も忘れられないのは1990年代の終わりのそれだ。
当時はインターネット関連株と通信株が大いにもてはやされ、ドットコム・バブルが膨らんでいた。
そして今、株価高騰の原動力になっているのは再び、新しい技術――今回は人工知能(AI)――が大きな利益をもたらすとの期待だ。このため、1年を通じて1つの疑問が市場に重くのしかかってきた。
この熱狂にはまだ根拠があるのか、それともこれもまたバブルなのか、という疑問だ。
市場がどれほど興奮しているかを測るために、投資家の熱気の物差しを3つ考えてみよう。
1つ目は市場心理。株式がさらに高いリターンをもたらす可能性について投資家がどれほど楽観的か、ということだ。
調査会社コンファレンス・ボードによるアンケートは、これまでの株価上昇のスピードが与える強気の印象を裏付ける結果になっている。
この調査は米国の消費者を対象に1987年から毎月行われているもので、株価が今後12カ月間で上昇すると思うかどうか尋ねている。
最新の調査結果では、回答者の56%が上昇すると考えていた。
これは次点に大差をつけての過去最高値であり、足元の上昇相場が始まる直前(2022年)の26%を大きく上回る(図1参照)。
米個人投資家協会(AAII)の調査でも、記録更新には至らなかったものの、かなり楽観的な姿勢が示されている。