マネジメントが見出す新しいイメージ
マネジメントの立場からすると、そうした姿こそ「イメージの壁」を乗り越える鍵になるのではないか、と思っている。
二人に共通するのは、愚直に練習と向き合い、培ってきた強さである。
華やかなスター街道を歩んできたわけではないが、玄人好みのボクサーであり、バッターだ。
また「親しみやすさ」も共通する。これは、間近で接している私たちだからこそ、わかる魅力かもしれないが、世間にも、そんなキャラクターが広く浸透すれば……一緒に新たな関係を築きたいと言ってくれるスポンサーも増えていくだろう。
だからこそ、マネジメントはその魅力をメディアなどをとおして伝えていく。露出を拡大していく。
新しいイメージの創出するのである。
そして、それと並行して選手たちの夢に伴走する。
まずはバンタム級で他団体の世界王者との統一戦に勝つことが中谷選手の目標だ。その先には、井上選手への挑戦もあるかもしれない。どれだけ大きな夢であっても、実現できると信じて環境を作っていく。
元メジャーリーガーの上原浩治さんが2013年にワールドシリーズを制したとき、マネジメントの立場で一緒に夢をかなえる時間を共有させてもらった。鈴木誠也選手もそこを目指している。
ほかのクライアントにもそれぞれの目標があり、その実現のためにトレーニングやコンディショニングの面でサポートをし、競技力向上の助太刀をするのもマネジメントの大事な仕事である。
ちなみに……中谷選手の防衛戦は、上原さんや鈴木誠也選手も会場に足を運び、試合後は控え室で祝福していた。
ボクシング好きの鈴木誠也選手はもちろん、初めてリングサイドで観戦した上原さんもすごく興奮した様子だった。
一流のクライアント同士が刺激し合える空間は、私自身もすごくうれしい時間になった。彼らが抱く夢を一緒に見るためにも、マネジメント会社としてスポンサー営業などの企業努力は欠かせない。そんな気持ちを強くした夜だった。