世界の民主主義国に多大な影響

 またトランプ氏の率いる米国は、ほかの民主主義国に自分のことは自分でやるよう促すかもしれない。

 今回の選挙について最も鋭い発言をしたのはフランスの大臣だった。

 欧州の安全保障のことをウィスコンシン州の有権者に4年おきに決めさせるわけにはいかない、とバンジャマン・アダッド欧州担当大臣が述べたのだ。

 第2次世界大戦後の人間の寿命と同じ長さの期間にわたって、欧州や自由世界の大半が究極の保護を米国に依存しているのは奇妙だというトランプ氏の指摘は正しい。

 ドイツから日本に至るまで、これが変わり始めている。そして今、今回の選挙結果を受けて新たな刺激が加わった。

(ちなみに、英国にとっては、欧州の外に英国が飛び込める自由貿易の世界があるのではないかというわずかな望みが潰えたと見て間違いない。トランプ氏は中国からの輸入品だけでなく、すべての輸入品に関税をかけたいとしている)