アマゾン、7四半期連続の増収増益
アマゾンの24年7~9月期決算は、売上高が前年同期比11%増の1588億7700万ドル(約24兆2400億円)、純利益が55%増の153億2800万ドル(約2兆3400億円)だった。6四半期連続の2桁増収、7四半期連続の増収増益となった。AIサービスの開発に必要なクラウドと、電子商取引(EC)の需要増に伴い、いずれも堅調に成長した。
営業利益は56%増の174億1100万ドル(約2兆6600億円)で過去最高益を更新した。1株利益は1.43ドル(前年同期は0.94ドル)で、売上高とともに市場予想を上回った。決算発表日の米株式市場の時間外取引でアマゾン株は5%超上昇した。
アマゾン直営通販7%増、広告6Q連続100億ドル超え
アマゾンの事業別売上高は、直営のネット通販事業が前年同期比7%増の614億1100万ドル(約9兆3700億円)。外部出品者からの手数料収入や出品者向け物流サービス収入は10%増の378億6400万ドル(約5兆7800億円)だった。
有料プログラム「Prime(プライム)」の会費などサブスクリプション(定額課金)収入は、11%増の112億7800万ドル(約1兆7200億円)。自社のECサイトやECアプリ内で展開するネット広告事業の売上高は143億3100万ドル(約2兆1900億円)となり、19%増加した。広告収入は6四半期連続で100億ドルを超えた。
傘下の「Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)」や直営の「Amazon Fresh(アマゾン・フレッシュ)」などの実店舗事業の売上高は5%増の52億2800万ドル(約7980億円)だった。
AWS事業の営業利益60%増
クラウドコンピューティング事業「Amazon Web Services(AWS)」の売上高は前年同期比19%増の274億5200万ドル(約4兆1900億円)だった。AWSの増収率は前四半期に続き22年10~12月期の水準に戻り、回復基調を維持している。
AWSの営業利益は50%増の104億4700万ドル(約1兆5900億円)だった。同事業の売上高はアマゾン全体の17%に過ぎないが、営業利益は全体の60%を占める。AWSの営業利益率は38%と、市場予想を大幅に上回った。
アマゾンの設備投資、過去最高額に
24年7~9月期におけるアマゾンの設備投資額は、226億2000万ドル(約3兆4500億円)で、前年同期から81%増加した。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、この金額は四半期として過去最高となる。
アマゾンは生成AIサービスの構築を推進するため、24年に約750億ドル(約11兆4400億円)を投じ、25年はさらに多額の設備投資を行うと説明している。CEO(最高経営責任者)のアンディ・ジャシー氏は決算説明会で、「需要が急速に増加すればするほど、データセンターやネットワーク機器、ハードウエアへの投資を急がなければならない。(当社は)それら全てにおいて先行投資している」と述べた。
アマゾンが併せて発表した24年10~12月期の売上高見通しは1815億~1885億ドルの範囲で、前年同期から7~11%増加する見通し。また、24年10~12月期の営業利益は160億~200億ドル(23年10~12月期は132億ドル)を見込む。WSJによれば、これらはいずれも市場予想と一致した。