経営者の52%は「経済でトランプ」

 トランプ氏リードの要因の一つは、何と言っても経済だ。

 ビジネス・リーダー向けの「フォーチュン」の「CEO Daily」によると、雇用者1万人以上の米企業CEO(最高経営責任者)100人を対象にした聞き取り調査だと、「トランプ政権の方が経済は良くなる」と答えたのは52%、「ハリスの方が経済は良くなる」と答えたのは15%。

 海外でも経済活動を展開する企業のCEOの30%は「どちらでも同じ」。「ハリスの方が良くなる」と答えた者は35%だった。

 こうした見方は投資家の動向にも反映している。

 ハリス、トランプどちらに賭けるかの大統領選オッズでは、8月の時点では売り買いでトランプ、ハリス両氏ともに49.1%だったのが、11月1日現在、トランプ買い55.9%、ハリス買い43.6%と大差がついている。

 市場関係筋は、「収益性(Profitability)、可能性(Capability)などからの判断に立った賭けに出ている」と見ている。

electionbettingodds.com/

NYTは「トランプでは経済は悪化」と断定

 ハリス氏を推薦するニューヨーク・タイムズ(NYT)​の経済コラムニスト、ピーター・コイ氏は、11月1日のコラムでこうした動きに真っ向から反論している。

「トランプ氏で経済が良くなると信じる根拠は弱い。外国製品関税の値上げ、不法移民の大量国外追放による労働力低下、通貨政策などでインフレは加速するのは間違いない」

nytimes.com/newsletters/peter-coy

 こればかりは蓋を開けてみないことには分からない。

 予測的中の学者を信じるか。市場の動きをウォッチする投資家の勘を尊重すべきか。

 それは読者諸兄姉の判断にお任せしよう。