共和全勝なら米国は未知の海域入り

 考えられる3番目の結果は、トランプがホワイトハウスを奪い返す一方で両党が支配する議会を交換する――共和党が上院を奪還し、民主党が下院を奪還する――というシナリオだ。

 2024年の選挙では、この方が逆のパターンよりも実現の可能性が高い。

 いずれにしても、トランプは公約の大半を押し通せる。

 上院と下院が異なる政党に支配される場合は、民主党よりも共和党の大統領に有利に働くのが常だ。ただ民主党が一院を支配していれば、トランプの最も過激な計画を邪魔することはできるだろう。

 考えられる最後の結果は共和党の3戦全勝だ。

 民主党のそれと同じくらい実現しそうにないシナリオだ。筆者なら、どちらにもおよそ1対5のオッズを付ける。

 ワシントンがMAGA(米国を再び偉大にする)運動に完全に支配されることになれば、米国は未知の海域を漂うことになる。

 政府の3部門すべてがトランプの支配下に入る。

 連邦最高裁判所ではすでに、9人の判事のうち6人をトランプが味方につけている。

 最高裁は先日、米国大統領はほとんどの「公務」――そこには政敵の暗殺も含まれる――について刑事責任を免れるとの判断を下している。