臭いのついた紙もリサイクルNG
他にも、臭いの染み付いている紙もリサイクルできない。例えば洗濯洗剤の箱や石けんの箱、包装紙、線香の箱、芳香紙などが代表的なものとしてあげられる。紙に染み付いた臭いは、古紙を処理する工程で完全に脱臭できない。そのため、製品化された紙に臭いが移ってしまうと不良品となってしまう。
リサイクルできる古紙としてあげられるのが、主に雑誌や新聞、段ボールなど。しかし雑誌にも付録として、香水や柔軟剤などの試供品がついていることもある。古紙として分別する際には、雑誌などでも臭いのついたものが混ざっていないか確認が必要だ。
リサイクルできない紙は「燃えるごみ」へ
これまで紹介してきた「昇華転写紙」「感熱性発泡紙」「臭いのついた紙」は、古紙再生の際に大きな障害となる。東京都調布市では「古紙の三大禁忌品」として、特に注意するように呼びかけている。
リサイクルできない紙は、古紙には分別せず、「燃えるごみ」として出さなければならない。また、他にもピザの箱や使い終わったティッシュペーパーなどの汚れた紙、レシートに使われる「感熱紙」など、リサイクルできないものは意外に多く、これらは全て「燃えるごみ」として出すのが正解だ。
古紙としてリサイクルできる紙とリサイクルできない紙の判別は、各自治体のホームページなどで確認するのが最も確実な方法だろう。また、他にも古紙再生促進センターが提供する「古紙分別チェッカー」では、ネット上で古紙の種類や状態を選択し、気軽にリサイクルできる古紙か確認できる。
紙のリサイクルは、正しく資源を有効活用することで、森林資源の保護や環境保全につながる重要な役割を持つ。日本の古紙回収率は2023年時点で、約81.6%、古紙利用率は66.8%と、世界でもトップクラス。国際的にSDGsが話題となっている今、国民ひとりひとりが正しい知識を持つことで、より一層持続可能な社会の実現につながっていくことを期待したい。