個人の仕事スキルも可視化&マニュアル化

 可視化が必要なのはディスカッションの場だけではない。個人のスキルや知識に依存しやすい「仕事のやり方」を可視化することもまた、生産性や業績を上げるために必要となる。

 具体的にはまず、業務内容をプロセスごとに細かく分類。各段階で生じる課題と最適な対処法を抽出し、目に見える形でマニュアル化する。ノウハウの再現性を高めるため、手順や情報を可能な限り噛み砕いて共有することも大切だ。そして新しい仕事法を練習し身につける場を設ければ、会社全体の業績を底上げすることにつながる。

 菊池氏が語る仕事ノウハウは、企業やビジネスパーソンが陥りやすい状況を分析し生まれたものだ。生産性に悩む人のヒントになる一冊と言えるだろう。

とにかく可視化―仕事と会社を変えるノウハウ―』(菊池明光著、新潮新書)