【釣島鼻灯台】高難度の山道がもたらす達成感

 最後の釣島鼻灯台(つりしまはなとうだい、兵庫県南あわじ市)は、ここまで紹介した4つの灯台よりも山道が険しくちょっと秘境度が高いです。その代わり、たどり着いたときの達成感と安堵感を存分に味わえます。

 灯台への道は休暇村南淡路という宿泊施設の奥から始まります。従業員用駐車場と搬入口しかなさそうですが、とにかく歩いていくとそれっぽい場所が見つかります。

 しばらくは普通の山道ですが、途中からくだり勾配がキツくなります。灯台まで高低差40mぐらいを一気にくだっていくからです。

 だれかが(だいぶ前に)木につないでくれたロープがないとのぼりくだりが無理な場所もあります。次の写真はくだったあとに見上げたものです。帰りはここをのぼらなければなりません。

 灯塔の上半分だけが見えました。

 左右とも急峻な崖なので、崖下を見てしまうとビビるので、自分の足元から視線をそらさないようにしながら歩きます。右の柵は錆びきっているし、あまり高くないから、頼りにはなりません。

 最後にこの階段が控えています。ただ、下へおりてしまうと、まわりの木にさえぎられて、海は見えなくなります。

 階段をおりる前のほうが、海の風景を楽しめます。ここまでの山道で苦労した分、余計に達成感を感じられるでしょう。

 崖の道を無事通過した安堵感とともに、ゆっくりと景色を味わってください。鳴門海峡を挟んで、遠くに徳島県が見えます。

 もっと詳しくは
想定外の通行止めに想像以上の難路、難易度上級と言っていい釣島鼻灯台

 どの灯台も行くにはちょっと苦労が伴いますが、それだけに到達して灯台の姿を見たとき、そして灯台越しに海を見たときに大きな達成感を味わえます。

 日本には沿岸灯台(いわゆる普通の灯台)が約1000、防波堤灯台を含めると3000以上あります。「ほかの人に薦めたくなる灯台」をぜひ見つけてください。