【濤波岐埼灯台】荒々しい海とシャープな姿の対比が美しい
おだやかなフォルムと風景の小佐木島灯台に対し、雄大な海と端正な姿がきれいなのが、網地島(あじしま)にある濤波岐埼灯台(どうみきさきとうだい、宮城県石巻市)です。
通常網地島に行くには、石巻、田代島、網地島、鮎川(牡鹿半島)を結ぶ定期船「網地島ライン」(1日3~5往復)を使います。ただこのときは時間の都合が悪かったので、鮎川港から「海上タクシー」をチャーターして網地島の長渡(ふたわたし)港に向かいました。
港からしばらくは、長渡の集落の中を歩きます。
しばらくすると家並みはなくなり、灯台へ行くだけの一本道になります。
木の間に空と赤い色が見えてきました。灯台クエストで一番ワクワクする瞬間です。
濤波岐埼灯台は、中央がくびれているきりっとしたフォルムと、上部に開いた四角い穴がモダンでステキです。灯台の向こう側は「岬の突端の断崖」で、さえぎるものがなにもない、広大な太平洋が広がっています。
灯塔を赤白や黒白に塗り分けるのは、積雪時に認識しやすくするためで、北海道に多く見られます。ここは、霧の発生時を考慮した結果らしいです。
濤波岐埼灯台は「どうみきさき」と読むのですが、地名としては一般的に「ドワメキ岬」と呼ばれています。いくつかの資料には、「ドワメキ」とは波が岸に打ち付けるときの音だと書いてあります。
この日は穏やかな天気でしたが、荒れた天気のときはそれこそ激しい波が繰り返し打ち寄せているのでしょう。「ドワメキ」の名前にふさわしい風景でした。
もっと詳しくは
猫島の隣、どわめく波が打ち寄せる岬に、きりっと立つ濤波岐埼灯台