「光原エミカ」の芸名で活動していた元宝塚トップスター「大滝子」こと小倉輝美容疑者(撮影:吉田 隆)

 宝塚歌劇団の元団員がまた金銭トラブルで逮捕された。

 逮捕されたのは1963年に宝塚の初舞台を踏み、月組の男役でトップスターになった小倉輝美容疑者(78)。宝塚時代は「大滝子(だい・たきこ)」という芸名で活躍、70年代に一世を風靡した『ベルサイユのばら』ではマリー・アントワネットの恋人「スウェーデンの貴公子」フェルゼン役で多くのファンの心を掴んだ。『ラ・ムール・ア・パリ』や『長靴をはいた猫』などの舞台でも活躍している。

 76年に退団後は「光原エミカ」という芸名でドラマや自身のコンサートなどを行う一方、田園調布で暮らしているとテレビで紹介されたこともある。その番組では、全身ピンクのド派手な衣装で、いかにもセレブっぽい言葉遣いを披露していた。

 そんな元トップスターが、2019年4月ごろに映画製作の資金などを貸して欲しいと70代のタニマチ的女性に頼んで1000万円をだまし取ったという容疑で警視庁王子署に逮捕されたのである。

「トップスター逮捕」の衝撃

 それにしても元宝塚の劇団員による逮捕が続いている。

 この3月初旬には大阪の吹田市に住む「宮つかさ」という芸名だった元歌劇団員(67)が群馬県内に所有している土地を担保にして2000万円をタニマチからだまし取ったと詐欺罪で逮捕された。

 古くから彼女のことを知る知人は彼女の逮捕の報を受けて、

「彼女は口が上手で色々な方々からお金を借りまくる一方、微々たる額ですが少しは返済していました。これはカネを騙し取るつもりはない、実際に返済もしていた、と主張できる根拠になる。それだけ法律には精通していたのだと思います。実際、彼女は借金はしていても逃げも隠れもせずにいつも堂々としていた。それは法律を踏まえて行動していたからでしょう。それだけに逮捕されたと聞いたときには意外でした」

 と驚いていた。

 この知人が語っていたように、その後、彼女は不起訴処分ということになった。

 だが今回の光原エミカの場合は、宝塚の「元トップスター」の逮捕ということで、ファンの間には動揺が走った。

東京・お台場のホテルで開催されたディナーショーで熱唱する元宝塚トップスターの「光原エミカ」(撮影:吉田 隆)