※このページから読まれた方は、ぜひ本記事の 1ページ目 から順にお読みいただくことをおすすめします。著者の詳細や、結論に至るまでの経験談をご紹介しています。

現代日本は本を読む余裕のないおかしな社会

 こんな経験をネットに綴ったところ、大きな反響がありました。私のもとに、さまざまな「私も働いているうちに本が読めなくなりました」という声が集まったのです。

 本記事の抜粋元である『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』は、2023年1〜11月にウェブサイト集英社新書プラスで連載した内容に加筆修正したものです。ウェブ連載をしているとき、一番私のもとに集まった感想は、「自分もそうだった」という声でした。

「私も働き始めて、本が読めなくなりました」

「私の場合は音楽ですが、働き始めるとなかなかバンドを追いかけられなくなりました」

「本を読もうとしても、疲れて寝てしまって、資格の勉強ができないんです」

 そんな声がたくさん、たくさん寄せられました。

「ああ、働いていると本が読めなくなるのは、私だけじゃなかったんだな」

 そう感じました。

 そもそも日本の働き方は、本なんてじっくり読めなくなるのが普通らしいのです。そういう働き方がマジョリティなのです。

 たしかに週5日はほぼ出社して、残りの時間で生活や人間関係を築いていたら、本を読む時間なんてなくなるのが当然でしょう。

 しかし、私は思うのです。

「いや、そもそも本も読めない働き方が普通とされている社会って、おかしくない!?」

※このページから読まれた方は、ぜひ本記事の 1ページ目 から順にお読みください。また、[連載]なぜ働いていると本が読めなくなるのか では本書の別の内容を抜粋して紹介しています。 下記のリンクをクリックして、続けてお読みください。

■なぜ働いていると本が読めなくなるのか
(1)週5フルタイムで働き、疲れ、本を読みたくてもSNSやYouTubeをぼーっと眺めてしまう、そんな生活おかしくないか?
(2)「本を読むこと」は人生に不可欠な「文化」、ChatGPTなどAIが仕事を奪う世の中で人間らしい働き方とは
(3)男も女も全身全霊ではなく半身で働く…仕事以外の「ノイズ」も聴ける余裕が「働きながら本も読める」社会をつくる