米テクノロジー大手では、2023年に大規模なレイオフ(一時解雇)が1年にわたり続いた。だが、24年に入っても小規模な人員削減が相次いでいる。
業界の2つの大きな課題とは
米グーグルは24年1月、社内全体で数百人をレイオフしたことを認めた。米ニューヨーク・タイムズ(NYT)によれば、グーグルはその後、さらなる人員削減を示唆した。
米アマゾン・ドット・コムでは、有料会員向け動画配信「Prime Video」の開発・運営部門と、映画やドラマを制作するスタジオ部門「Amazon MGM Studios」などで数百人を削減した。米メタは中間管理職を減らし、米マイクロソフトもゲーム部門で約1900人を削減した。
一方、各社が24年2月1日までに発表した、23年10~12月期の決算はいずれも増収増益だった。にも関わらず依然としてレイオフは続いている。アナリストによると、このギャップは業界が2つの大きな課題に直面していることを反映しているという。
1つは新型コロナウイルス下におけるネットサービスや電子機器の需要増で急速に労働力を拡大した各社が、雇用調整に入ったこと。もう1つは、AI(人工知能)への積極的な投資に伴い、コスト削減を強いられていること。
巣ごもり需要で採用拡大、爆発的成長終了で雇用削減
19年末から23年初めにかけて、各社は巣ごもり需要への対応で採用を拡大した。その間、消費者はオンラインでの時間を大幅に増やし、新しい電子機器への出費も増やした。アマゾン、グーグル、メタ、マイクロソフト、米アップルは、合計で90万人超を新規採用した。
アマゾンでは、19年末から21年末までの2年間、急増するEC(電子商取引)需要に対応するため、従業員数を80万人増やし、160万8000人へとほぼ倍増させた。このとき、オフィス職の従業員数は20万人から38万人に増えた。