米IT(情報技術)大手のアップル、アマゾン・ドット・コム、メタの2023年10~12月期決算は、いずれも増収増益だった。1年前は新型コロナウイルス特需の反動減で、減収や増収率の低下、減益に悩んでいたが、それらを乗り越え好業績につなげた。
3社の売上高と純利益
アップルの売上高は前年同期比2%増の1195億7500万ドル(約17兆5100億円)だった。増減収率はこれまで4四半期連続マイナスで推移しており、5四半期ぶりに増収を確保した。純利益は、同13%増の339億1600万ドル(約4兆9700億円)となり、3四半期連続で増加した。売上高全体の6割弱を占めるスマートフォン「iPhone」が伸びたほか、利益率の高いサービス部門の伸びが奏功し、2四半期連続の2桁増益を達成した。
アマゾンの売上高は、前年同期比14%増の1699億6100万ドル(約24兆8900億円)だった。3四半期連続の2桁増収で、増収率は2022年7~9月期以来、5四半期ぶりの高水準だった。
アマゾンの純利益は106億2400万ドル(約1兆5600億円)で、前年同期の38倍だった。ただし、アマゾンは前年同期に米新興電気自動車リヴィアン・オートモーティブの評価損を計上した影響で純利益が大幅に減少しており、当期純利益の大幅増はその反動によるものだ。本業のもうけを示す営業利益は、同4.8倍の132億900万ドル(約1兆9300億円)で、4四半期連続の営業増益となった。
メタの売上高は、前年同期比25%増の401億1100万ドル(約5兆8700億円)で、4四半期連続の増収となった。増収率は2021年10~12月期以降で最大。前四半期に続き上場以来最高の四半期売上高を達成した。純利益は同3倍の140億1700万ドル(約2兆530億円)だった。1株利益は5.33ドル(前年同期は1.76ドル)で、売上高と共に市場予想を上回った。
アップル、iPhoneが6%増収
アップルの売上高を事業部門別に見ると、iPhoneが前年同期比6%増の697億200万ドルで、伸び率が前四半期の3%を上回った。パソコン「Mac」の売上高は同1%増の77億8000万ドルとなり、3割超の減収だった前四半期からプラス成長に転じた。
一方、タブレット端末「iPad」は同25%減の70億2300万ドルと大幅に落ち込んだ。腕時計端末「Apple Watch」やスマートスピーカー「HomePod」などの「ウエアラブル、ホームおよびアクセサリー」も同11%減の119億5300万ドルと、2桁減少した。
アプリ・音楽・動画配信などのサービス事業の売上高は同11%増の231億1700万ドルで、前四半期に続き過去最高を更新した。同部門の200億ドル超えは5四半期連続である。
アップルの売上高を地域別に見ると、米州が前年同期比2%増の504億3000万ドル、欧州が同10%増の303億9700万ドルだった。これに対し、中華圏が同13%減の208億1900万ドルとなり、前四半期に続き減収だった。中国では、華為技術(ファーウェイ)などの地場メーカーの端末の販売が伸びており、アップルのシェアを奪うのではないかとの観測が出ている。