(英フィナンシャル・タイムズ紙 2024年1月18日付)

日経平均が過去最高値に近づいている(1月11日、写真:つのだよしお/アフロ)

 リードを外された犬のように勢いよく今年のスタートを切った日経平均株価(225種)が、かつては手が届かないように見えた「バブル期」の高値、すなわち1989年12月29日に記録した3万8915円さえも視野に入る水準に上昇している。

 1月17日の取引途中には、この未知の領域まであと7%強という水準につける場面があった。

 現在の市場のムードが維持されれば、1月中に埋められるかもしれない距離だ。

バブル後高値への身震い

 ここまで近づけば、興奮や恐怖から身震いすることは避けられない。

 そしてそれゆえに、日本やどうやってここまで(戻って)きたか、そして株価が史上最高値を更新したらそれは日本という国にとって何を意味するのかに関心が向かっている。

 それに比べると、中国がこの過程で重要な役目を担うことはあり得るのかという問いには、あまり注意が払われていない。

 日本企業を対象に大々的に行われたあるアンケート調査では、その点においては日本企業の方が市場の一歩先を進んでいる可能性が示唆されている。

 1989年のバブル期の高値更新が視野に入ることになった日本固有の理由は、2023年を通じて積み上げられてきた。

 米バンク・オブ・アメリカがグローバルファンドの運用会社を対象に行った最新の調査では、日本株式をオーバーウエイト(あらかじめ決められた標準的割合よりも多く所有した状態)にして新年を迎えた運用会社の方が、そうでないところより多いことが確かめられた。

 その判断を正当化する材料も次々に浮上しているように見える。