わたしはジャズがわかるとは言い難い。20歳ごろまで、なにがジャズだ、と反感さえもっていた。それがあることがきっかけで、ジャズを聴くようになった。大したファンではない。しかしこの映画は、映画としてじつによくできている。
なぜか『ステキな金縛り』だけが突出
今回借りた5本のなかで、一番おもしろかったのが『BLUE GIANT』だったということは(あくまでも、わたし個人の感想だが)、日本映画の不調を示している。いや、外国映画も含めた映画全般、といってもいい(『トップガン マーヴェリック』は、なぜあんなに人気があったのか。さっぱりわからない)。
ここ数日で、三谷幸喜監督の映画を6本まとめて見た。
『THE 有頂天ホテル(2006)』、『ザ・マジックアワー(2008)』、『ステキな金縛り(2011)』、『清須会議(2013)』、『ギャラクシー街道(2015)』、そして『記憶にございません! (2019)』である。
映画に対するわたしの評価は「◎優 〇良 △可 ▲不可 ●バカ」である。それでいうと三谷の6本で、文句なしの傑作◎だったのは『ステキな金縛り』だけで、あとの5本は△が2つ、▲が1つ、●が2つである。
あまり出来がよくないのだ。逆になぜ『ステキな金縛り』だけが突出してるのか、わからない。
ホリエモンが二宮和也主演の『ラーゲリから愛をこめて』(瀬々敬久監督)を「素晴らしかった」と大絶賛していた。「感動した」「涙が止まらなかった」、と。
しかし、イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』もそうだったのだが、二宮がどうもな、とわたしは思い、見る気がしなかったのである。だが、見てみた。
案の定、やっぱりフツーだった。ホリエモンはなにに感動したんだろう。
これは昔、テレビドラマで見た。そっちのほうがよかったような気がする。調べてみたら、1993年、フジテレビでやった「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」だった。主演は寺尾聰。放送文化基金賞番組部門本賞をとっている。
これだけで日本映画が不調というのもなんだが、2022年度の日本アカデミー賞最優秀作品賞が、『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督、村上春樹原作、西島秀俊主演)である。これは8冠を取ったらしいが、わたしの採点では●である。
ちなみに2023年度の最優秀作品賞は『ある男』(石川慶監督、平野啓一郎原作、妻夫木聡、安藤サクラ)だが、これは見ていない。見る気もしないが。
今年、アニメ映画の『スラムダンク THE FIRST SLAM DUNK』(井上雄彦監督)は中国や韓国でも大人気だった。
折に触れ、この漫画の人気は幾度となく聞いていたが、学園バスケもので、わたしは全然読む気がなかった。しかし、あまりにも人気がすごいので、新装版全20巻が発売になったときに、まとめて読んだ。
井上雄彦が1990年から1996年にかけて「少年ジャンプ」に連載したものである。1990年といえば、まだ井上が23歳のときだ。しかたないこととはいえ、初期のころは若書きで、絵が稚拙である。
ついでながら「スラムダンク」のDVDは、来年の2月8日に発売予定である。買いはしないが、レンタルで見ようと思う。