ビジネスにおける情報活用(2)
店舗の平均面積と売上高の因果関係
ビジネスの意思決定では、因果関係の特定を要求される様々な場面に出くわします。
しかし、ビジネスの中で一番思い込みが生じやすいのも因果関係を特定する場面ではないでしょうか。
そこで因果関係のワナについて事例を基に見ていきます。
あるフランチャイズの飲食店本部では加盟店の「1店舗あたりの平均面積」と「1坪あたり売り上げ」を調査しました。
その結果、「平均面積が広いほど1坪あたり売り上げが大きい」という関係性を見出しました。
この現象についてフランチャイズ本部で侃々諤々の議論が繰り広げられました。
「店舗面積が広いほど幅広い豊富な品揃えができるから、お客様はたくさん商品を買うのではないだろうか?」
「店舗面積が広いほどお客様には売り場が魅力的に映り、多くのお客様がいらっしゃる。だから売り上げが大きくなるのではないだろうか?」
メンバー間の議論を基にマーケティング部のメンバーが手元のパソコンでデータ分析したところ、確かに店舗面積が広いほど品揃え(1店舗当たりの取扱商品の種類数)や来店者数の多いことが分かりました。
ここで使ったのは回帰分析という方法です。
回帰分析とは2つの数の関係性を0から1の間での数値で表すものです。
1に近いほど「相関関係が大きい」とみなされます。ただし、2つの数の間の因果までは回帰分析のみでは分かりません。回帰分析は表計算ソフト「エクセル」の関数一つで簡単にできます。
参考:マイクロソフトによる相関係数の説明「CORREL 関数」