中国の飲食企業は、経営や運営の“お手本”として日本を捉えているという(写真はイメージ、koumaru/Shutterstock.com)中国の飲食企業は、経営や運営の“お手本”として日本を捉えているという(写真はイメージ、koumaru/Shutterstock.com
  • 中国で急成長するコーヒーチェーンのコッティコーヒーが、日本に2店舗をオープンしたが、日本人に向けたアピールはあまりしていない。
  • 一方で、中国の飲食企業は積極的な国外進出を行っているところもある。
  • 「中国の飲食業界は、日本に(市場よりも)“お手本”の役割を求めている」のだという。

(加藤勇樹:中国広東省在住コンサルタント)

 今年(2023年)の8月と9月、コッティコーヒー(COTTI COFFEE)というコーヒーショップが立て続けに2店オープンしました。場所は東京大学赤門前(東京都文京区)と西池袋(東京都豊島区)です。さらに3店目も開店準備が行われているようです。

 コッティコーヒーという名前は聞き慣れないかもしれませんが、去年(2022年)10月に1号店をオープンした中国のコーヒーチェーンです。それが1年経った現在は6000店舗にまで事業が急拡大しています。8月に海外1号店を韓国ソウルにオープンし、間をおかずに日本にも進出したわけです。

2023年9月に西池袋にオープンしたコッティコーヒー日本2号店(写真:筆者友人撮影)2023年9月に西池袋にオープンしたコッティコーヒー日本2号店(写真:筆者友人撮影)

 オープン2週間後に訪れたところ、西池袋の店舗では店の前に長蛇の列ができていて、話し声からしてほぼ全員が中国人だったそうです。さらに、店員も中国人で、注文も主に中国語で行われていたとのです。

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 実は、コッティコーヒーを立ち上げたのは、2017年にラッキンコーヒー(Luckin Coffee)を創業した人たちです。ラッキンコーヒーは、スマホアプリを使った注文システム、店舗での飲食よりも持ち帰り中心という、新しい形態で急成長しました。

 ところが、急成長の裏で決算の問題などが明るみに出て事業が失速しました。そのころ創業者がたもとを分かち、作ったのが、同じスタイルのコッティコーヒーなのです。