議会に復帰したファインスタイン氏(5月11日、写真:AP/アフロ)

顔面神経マヒでも上院司法委員ポスト死守

 民主党の牙城、カリフォルニア州の民主党が大揺れに揺れている。

 同州選出の上院女性最高齢のダイアン・ファインスタイン氏(89)の後任を巡っては、昨年来、自薦他薦候補が出て党内は分裂状態にあった。

 そこにきて同氏の病状が悪化したことから、抗争の火は任期終了を待たずに燃え上がっているのだ。

 過去十数年、同州はワシントン政界に2人の女性実力議員を送り出してきた。

 一人は下院の女王といわれ、下院議長を今年退任したナンシー・ペロシ下院議員(83)。もう一人は、ファインスタイン氏だった。

 ファインスタイン氏は、これまで政治の節目、節目で重要な役割を演じてきた。

 特に連邦裁判事指名承認権を持つ司法委員会メンバーとして、時の政権に睨みを利かせてきた。

 高齢を理由に委員長職はディック・ダービン氏(イリノイ州選出)に譲ったが、依然として同委員会の民主党サイドではナンバー2だ。

 そのファインスタイン氏は、自分の後任にアダム・シフ下院議員(62)を推薦し、ペロシ氏も同意していた。

 シフ氏は、下院情報特別委員長としてドナルド・トランプ前大統領を2度にわたって弾劾に追い詰めた立役者だ。