公園のベンチの近くに猫が集まっていて、誰かを待っているようです。
しばらくすると、猫の世話をする人が現れました。猛暑の日も台風の日も毎日朝7時と夕方5時に食事を与えているそうです。「朝はお腹が空いているから突進してくるけど、夕方は配膳を静かに待っているわ」とのこと。
広場で小型犬に兄貴風を吹かせている黒い犬がいました。小型犬は追いかけられ、「もういや、やめて!」と鳴いています。
そこにのっそりと大きなセントバーナード犬が現れました。いばっていた黒犬は態度を一変させ、「自分は何もしてないです」とその場に座り込みました。緊張をもの語るように耳はひっくり返り、背中が逆毛だっています。
ニコニコ笑顔の犬がいました。ついていくと、内装工事真っ最中の雑貨店に着きました。「まだ工事も終わっていないのに、もうお客さんを連れてきたんだね」。
飼い主によると、九龍でおなかを空かせていた野良犬を保護し、カムチャイと名づけました。それからは、次々と幸運が舞い込んで、雑貨店を開店できるまでになったのだそうです。「幸運を呼びたいと思って彼を保護したわけじゃない。この犬のためにも頑張ろうと思っただけ。その気持ちは報われるってことをカムチャイから教えてもらったよ」。
話を聞きながら、カムチャイはずっと笑顔でした。「この犬に出会った人は、必ずといっていいほど笑顔になる。おかげで、私の周囲には、いつも幸せな「気」が流れているんだ」。