中国・上海の「味千拉面」店舗(筆者撮影)

(花園 祐:中国・上海在住ジャーナリスト)

 個人所得の拡大などを追い風に、中国のフードサービス市場は拡大が続いています。2020年以降はコロナ禍によって大きな打撃を被ったものの、デリバリーサービスなど新規業態の登場もあり、新規参入企業も増え続けています。

 そんな中国フードサービス市場で成功を収めた日系チェーンの代表と言えば、熊本ラーメンにルーツを持つ「味千ラーメン」(中国語:味千拉面)でしょう。

 2010年前後に中国全土を席捲し、日系メディアにもよく取り上げられていたことをご記憶の読者も多いと思います。

 ところが近年は不祥事の発覚が相次ぎ、コロナ禍の影響も受けて業績不振に陥っています。今回は、味千ラーメンの沿革を改めて追いながら、中国での現状を紹介したいと思います。