全国に拠点を広げる外資系ホテル(写真はイメージ)

 首都圏でビジネス客やインバウンド(訪日外国人)需要を見越して外資系高級ホテルの開業が相次いでいるが、その流れは地方都市や観光地にまで波及している。世界的に知名度の高い外資系ホテルブランドの日本進出はどこまで広がっているのか──。ホテル評論家の瀧澤信秋氏がレポートする。(JBpress編集部)

ヒルトン進出を控える宮古島、地元ヴィラの反応

 ここは沖縄・宮古島のトゥリバー地区。どこまでも美しいビーチに感動しつつ遠方に目をこらすとちょっと異質な光景が。ヘルメットをかぶった人たちが急ピッチで作業をしている。ここは2023年夏に開業予定の「ヒルトン沖縄宮古島リゾート」に隣接するビーチだ。三菱地所や鹿島建設などが計画を進め、ヒルトンホテルとしては沖縄の離島初の進出となる。

ヒルトン沖縄宮古島リゾートに隣接するビーチ

 ホテル開業が相次ぐ宮古島にとっても有名外資ブランドの進出は大きなトピックだが、宮古島エリアでの高級ホテルといえば、近年こうした大規模なホテルよりも小規模なヴィラタイプ(一戸建てなど独立した部屋を揃える宿泊施設)の開業が相次いだ。こうした既存ホテルにとって、ヒルトンの進出はどのように映っているのだろうか。

 ヒルトン沖縄宮古島リゾート近くの伊良部大橋を渡りきった先にある「紺碧ザ・ヴィラオールスイート」。全8棟のみのヴィラからなる高級施設だ。2016年に開業し、宮古エリアでヴィラタイプの宿泊施設ブームを作ったが、高級という点では同じカテゴリーの外資系ホテル進出にさぞかし戦々恐々としているかと思いきや、意外にも意識はしていない様子。

「当ヴィラは全室にプライベートプールを設け、眼前は何も遮るものがない宮古ブルーの海。外部からの視線を感じないプライベート感の高さがあり、ゲストが求める滞在環境やサービス内容がヒルトンさんとは基本的に異なります」(支配人の高里昭大氏)

紺碧ザ・ヴィラオールスイートのプライベートプール

 同ホテルでは海水を直接引き込んでいたプライベートプールの温水化に踏み切るなど、通年でプールを満喫できるようになった。また、これまでもバスルームにミストサウナを設置するなど、サービスの充足度を高めるべくブラッシュアップを重ねてきた。

「客室のプライベートブールサイドでは、至れり尽くせりのバーベキューも楽しめますし、まさにヴィラホテルならではの醍醐味が詰まっています」

 と高里氏は自信を覗かせる。とはいえ、宮古出身の同氏には縁遠かった外資系ホテルが身近に開業することには、「時代が変わったという印象。同時に刺激も受けています」と話す。