米国・カリフォルニア州の嵐の被災地を視察した後、大統領専用機に搭乗し手を振るバイデン大統領(2023年1月19日、写真:AP/アフロ)

(古森 義久:日本戦略研究フォーラム顧問、産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 ジョセフ・バイデン氏がアメリカ大統領に就任し、ホワイトハウスに入ったのは2021年1月20日だった。当時、選挙戦での対抗馬だった共和党のドナルド・トランプ前大統領は、その前年の2020年11月の大統領選挙で民主党側の大規模な不正があったと主張して、バイデン氏の勝利を認めなかった。共和党側の多数がこの主張に同調し、バイデン大統領の登場時のアメリカ国政は混乱をきわめた。

 それからまる2年、バイデン大統領の選挙での勝利は正当性を認められた。トランプ支持層の不満はなお激しく残るまま、民主党による統治はスタートした。そしてバイデン大統領はその4年間の統治の折り返し点を今年1月20日に通り抜けたこととなる。

 ではこの中間地点までのバイデン大統領の統治はどうだったのか。肯定、否定、どこをどう評価すべきか。バイデン氏はそもそも異色ともいえる特徴を持つ政治家だから、その大統領としての実績の評価も複雑となる。

 そもそも一国の元首や行政のトップの一定期間の功罪を客観的にまとめることは難しい。科学的にだれもが納得するような評価の方法は存在しない。そこにはどうしても主観とか印象という曖昧な要素が入ってくる。統治の結果でも混在するプラスの部分、マイナスの部分をどう仕分けるかも難題である。

 この種の評価は半分だけ水の入ったコップをどうみるか、にも似ている。半分は満ちている、と評するか。まだ半分も空の部分が残っている、と描写するのか。絶対に正しいという答えは永遠に出ないような難題である。